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執筆者の写真Takumi Watanabe

革について Vol.03 革のなめし方法 タンニンなめし


革というと一昔前は高級品というイメージでした。 現在は主にアジア圏の安い革が流通するようになり総革のバッグがびっくりするくらい安い価格で売っています。 実は革には大きく分けて2種類のなめし方があります。

前回クロムなめしの説明をしました。今回は弊社製品で使われているタンニンなめしのことを書きます。

2.タンニンなめし

植物性のタンニンを使って皮から革になめされる手法です。

出来上がった革はクロムなめしに比べると硬く、元来、革はこちらの製法でつくられていました。なめす工程で使われる植物性のタンニンはチェスナット、ミモザなどを使います。

日本のタンナー(革なめし工場)ではミモザを使うことが多いと革の問屋さんから聞きました。

植物性のこのタンニンが太陽の紫外線と反応し酸化することで色が濃くなります。いわゆるエイジングというものです。クロムなめしの革ではここでいう色の変化というエイジングは起きづらいです。もちろん塗装面の顔料の色が褪せていくということはあるでしょう。 このことが持つ人の自分だけのものという使う喜びや楽しみになるのでしょう。


クロムなめしに比べてタンニンなめしの革は工程に時間がかかり革の厚さも厚いものが作れます。

なので作れる量も少なくなってくるので価格もクロムなめしの革に比べ一般的には2~3倍になってきます。そして革にもともとある虫刺されや血筋、識別の焼印、トラジワと言われる型のシワなど皮に本来あったものが出やすいということもありますので裁断時には職人やコンセプトによりこれを避けたりあえて入れたりするということをします。

染料でそめたこの革は色が深くなっていきますが、厚くなれば革の芯まで色が染まるのが大変時間がかかります。前述のクロムなめしで述べたように、せっかくのタンニンなめしの革に顔料を吹き付けると塗膜がつくられ色は変わりません。


今日はここまでにしておきます。






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